2011年1月12日水曜日

メンバーのコラムpart9~イベント担当 榊原知也編~

どうも、ivoteの榊原知也です。
ivoteで唯一の理系らしいので理系っぽい切り口で書いてみようと思います。

政治家で理系出身といえば菅総理、鳩山前総理と最近続いていますね。ただこれは例外であり、政治、法律、経済といった専門の方が圧倒的に多いです。
個人的には理系の政治家がどんどん増えるべきだと思っています。そもそも理系文系という分類はナンセンスだと思いますが、ロジカルにものを考えるという意味で、また技術立国を目指すのであれば前提の知識をある程度持った人にリードして欲しいという理由です。

まあ、この議論は(あるか分かりませんが)次回にでもお話しするとして、せっかくなので自己紹介がてら、以下では自分の研究の対象が政治と結びついているか考えてみることにします。


私自身は鉱物資源を対象とした研究室に所属しています。自分の研究内容を一言で言えば、「鉱物資源の動向を経済的な観点で分析している」といったところです。

日本には一次資源がありません。昔は金も銅も石炭も取れていましたが、それも過去の話です。(金は菱刈鉱山という世界有数の高品位の鉱山がありますが。)

それなので、海外に依存せざるを得ない状況です。

以前はそれでもお金を積めば輸入できて、そこから高い技術を駆使してモノを作り貿易黒字を重ねていました。

それが現時点では様子は一変しています。


資源について考える上で中国について考えないわけにはいかないので触れておきます。関連ある注目点は大きく3点。政府による介入、消費量の拡大、人件費の低さです。

まず分かりやすいもので言えば、人件費の安さです。工業系での人件費は所謂先進国の10分の1といわれています。鉱石から金属を取り出すコスト(製錬費)も全く違います。
同時にモノづくりの生産拠点が中国に移動してきています。結果的に消費量の拡大につながります。中国国内市場は説明するまでもなく急成長しており、生産拡大、インフラ整備の拡充により大量の資源を使用しています。北京オリンピックも重なり際それは加速していました。消費量は経済に相関しており、今後の消費拡大もしばらくは続くでしょう。

輸入に関しても中国では会社といっても国営に近いので破格の値段で買いあさります。
日本企業がリスクを恐れて行けなかったり、政治的な理由で配慮していけない国や地域にも出て行けます。また自国での開発についても積極的です。さらに、最近話題になった中国によるレアアースの輸出規制の問題のように政治的なリスクもあります。

上記、中国の影響の他にもインドなどの台頭、鉱山会社の寡占化などもはや日本にとって逆風しかないといっても過言ではありません。

中国をどうこう言っているのではなくて、このような状況の中で日本がどのように資源を確保して、技術力を維持していくかを考えなくてはなりません。

前提をはしょって書いたつもりが長くなってしましました。
とにかく資源確保がピンチである、ということが伝わればよいです。


さて、本題の政治に結びつけましょう。

上記問題を企業だけに任せるのは不可能です。まず資源メジャーといわれる企業は日本の企業とは体力のオーダーが違います。
さらに、開発には10年以上の月日を費やします。レアメタルはベースメタルを回収する副産物として出てくることが多いので、レアメタルだけを生産することは難しく、コスト回収できません。

そこで国家としての協力が必要なのですが、どんな方策が考えられるでしょう。

簡単に言えば、リスクの高い鉱物を使わないというのが一番の解決策でしょう。目的は資源ではなく、それから作られる製品なわけなので、同じスペックのものを別のもので作ればよいし、少ない消費量で作ればよいということになります。

・代替材料を開発する
・同じ製品当たりの使用量を減らす

次のステップとして、もう一回使うということを考えなくてはいけません。
・使用済み製品の回収率を上げる
・リサイクル率を上げる

他にも備蓄を増やすといったことも有効でしょう。

では、どれを行えばよいのでしょうか。今回の場合に政策の位置づけは市場にイセンティブ付けすることです。これらを達成するためといえば自ずと政策は出てきます。

使用済み製品の回収に補助金を付けるとか、炭素系材料の開発に予算を付けるとか、備蓄のために倉庫など設置するとか、そのためのルール作りですね。

全部できたら全部やればいいと思います。


ただ、限られた資源(予算)の中でどうするか、
もっとも投資に対するリターンが大きいものはなにかを判断して実行しなくてはなりません。効用を最大化する政策はどれか。

この指針を示すことこそ政治に求められるものです。

極端な話をすればそもそも製造業などしなくてサービス業だけの国を目指すのであれば鉱物資源などなくてもよいわけです。


資源を例にだらだらと書いてきましたが、簡単に結論だけ言います。

日本をどんな社会にしたいのか。このビジョンを明確に持ち、実行できる政治家を輩出できる国でありたい。

そしてそのような政治家を公正に選べる選挙になって欲しい。
そんな思いを持って活動しています。


いつもふざけてばかりなので、たまにはまじめに書こうと思ったら定性的なくせに堅い文章でかつ長文になってしまいました。最後までお付き合い頂いた方はありがとうございます。


最後に本紹介のコーナーがあるらしいので、紹介しておきます。

【技術系】
『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか―画期的な新製品が惨敗する理由』:妹尾 堅一郎 著
【小説】
『プリズンホテル』:浅田 次郎 著

榊原

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