2011年4月6日水曜日

浦安市対千葉県 浦安市県議会議員選挙レポート 

【千葉県議会議員選挙浦安市選挙区をめぐるゴタゴタ】

��月10日千葉県では千葉県議会議員選挙が行われる。そして、4月2日から選挙戦が
スタートしている。
しかしながら、松崎秀樹浦安市長は被災の影響を理由に選挙は「行う状況にない」と主張し選挙事務を拒否している。
そのため、候補者がポスターを貼る公営掲示板はまだ市内の施設に保管されたまま。
市民に対する投票券の送付も行われていない。

浦安市に対し、片山総務大臣は「大変遺憾だ。いろいろな事情はあっても、決められた選挙事務は誠実に実行すべきだ」と語り強く選挙執行を要請。
千葉県も「法で定めた義務を果たしていない」とし是正指示を出している。

市が、県・国と全面対決。この前代未聞の事態について書く。

【地震が選挙に与えた影響】

事の発端は、3.11の地震。
この未曾有の震災をうけ、4月10日・24日に予定されていた統一地方選挙の実施延期法案が国会で可決された。
震災の影響により選挙実施が困難と判断した自治体が、延期を総務省に申請。総務省の受理により、選挙が延期されるというものだ。岩手、宮城、福島3県の49市町村がこの特例法の適用をうけている。

浦安市は地震により、大規模な液状化現象が起こり市内各地が被害をうけた。さらに、多くの世帯で断水となり、いまでも回復していない世帯もある。このような状況を受け、浦安市は選挙前再三、国・県に対して選挙延期の申し入れを行った。

対して、県議会議員選挙の当事者の千葉県選挙管理委員会は選挙可能と判断。浦安市に対して、選挙事務応援に県職員を派遣するとした。

結果として浦安市の要請は受け入れられず、4月1日千葉県議会議員選挙は告示を迎え選挙戦が始まった。

しかし前述のように浦安市側は選挙事務を行わないと主張。実質浦安市では選挙事務は何も行われていない。

当惑を隠せないのは、浦安選挙区からの立候補者3人。立候補の届出先は千葉県選挙管理委員会であるため、立候補は行える。しかしながら、浦安市が選挙事務を行わない方針を出しているため投開票されるかもわからない状況である。

浦安市は選挙事務を拒否。千葉県は是正勧告を行う。候補者は当惑。
現時点(4月6日)でもこの状況が続いている。

【浦安市の現状と市民の思い】

その浦安市に、4月3日に行ってきた。
目的は二つ。
浦安市の現状を見てくること。そして、民主主義に置いて最も重要なアクターである市民の方の話を聞くこと。

新浦安駅に到着して少し駅の周りを見て歩いた。
駅に登るエレベーターや付近の建物は完全に浮き上がり、
浦安市エレベーター

階段は1部使用不可能となっていた。
写真

浮き上がった部分の段差を補修した、間新しいアスファルトも多く見られる。
浦安市アスファルト

今回話を聞かせていただいたのは、浦安市在住の20代前半の女性の方である。

--まずは今回の震災の影響についてどのような影響があったか?

私自身の家では地震による被害はなかったものの1週間の間水道・ガスが止まった。
その間は都内の友人宅へ避難したり、隣の船橋市の銭湯に行ったりした。
液状化により堆積した泥が市内至る所に積み上げられており、乾燥して砂ぼこりとして街を舞っていた。
水が出ないため毎日給水車による吸水を受けていた。
そんな状況なのに、計画停電内に一時組み込まれ大変だった。



--県議会議員選挙の状況を話し、感想をお聞きした。

そもそも県議会議員選挙(で色々ともめていること)について最近まで知らなかった。徐々にニュースに取り上げられるのを見て知った。でも、詳しいいきさつは今話を聞いて初めて知った。


--市長が経緯を書いた広報を配ったようだが?
新聞に挟まっていた気はするが、細かく見ていないからわからない。
見る余裕のある状況ではなかった。



--選挙を行うことについてどう思うか?
選挙どころではない。インフラが回復してからも1週間ぐらいは「やっと普通になった」といった感じで、選挙どころではない。
いまも駅前で演説を行っている人がいたが、なんのためにやってるんだろうって感じで、選挙のためだとは思わなかった。
情報もなく、候補を選びようがない。
でも、街宣車を回すなどの選挙活動を見たとしたら、「こんな時に何をやってんだ」と思ってしまう。


--選挙を予定通り行うべきという県の対応についてどう思うか?
おかしいと思う。市・候補者・市民誰にとっても特にならない。


--一方、千葉県の他の選挙区は予定通り選挙を行っている。このままだと、浦安市からの代表が県に送られない可能性もあるが。

確かに、浦安市の現状を伝えてくれる人がいないのはつらい。
千葉県の他の選挙区がやるのであれば、むしろ出るなら出てくれてやってしまったほうがよいかもしれない。
確かにできないことはない。やるなら情報がほしい。


--公開討論会やテレビ討論会はどうか?
開催されるのであれば非常に参考になるし、見ると思う。
選挙公報の量を増やすのもよい。


--24日の浦安市議選と一緒にやるのはどうか?県議の人気は29日まであるが。

情報がほしいので10日の選挙は現実的でない。
24日以降にずらしても、キリがないので24日にまとめてやるのが一番よいのではないか?
市民側としては問題なくできる。


--最後に

やはり、今選挙を行うべきではなかったと思う。でも、選挙が始まってしまったのなら、徹底的にやるべき。
もっと情報がほしい。
市民への説明が足りていないと思う。


以上でインタビューを終え、市内を少し案内していただいた。

【市内の現状】

道路は至る所で段差が残り、街灯は傾き、泥も多く残っていた。
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道路がガタガタな上に節電で夜が暗く、危険だ。
いま、地盤がガタガタになっていると思うので、さらに地震が来たら被害が増えそうで怖い。

とおっしゃっていた。

彼女にお別れを告げ、市内をもう少し歩いた。

海のすぐ側にある浦安南高等学校では被害が大きく、学校まるまるしばらくの間、船橋市内の高校に移るとの張り紙がしてあった。
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そして当然のことながら市内のどこにも投票啓発ポスターのようなものはなかった。
駅ではちょうど「がんばろう”うらやす”」の横断幕が設置されているとこだった。


【今後の展開】


昨日浦安市は改めて、10日の県議会議員選挙の選挙事務を執行しないことを宣言した。
しかしながら、復興のめどがたったとし24日の浦安市議会議員選挙は執行可能と表明した。

それならば24日に市側は県議会議員選挙も同時にやるべきだし、早くその決定を下すべきだ。
また、今回のインタビューで強く感じたことは市民に選挙に関する情報がほとんど伝わっていないことだ。今は、選挙を行わないといえばおそらく反対する人はいないのであろうが、その結果生じるであろう事態(県議員の欠員等)の情報も公開すべきだ。

選挙実施の決定権者は「県」。それに対して事務の執行は「市」。
そして今回「市」が「県」に逆らった形だ。
このような事態は行政上想定されていないのだろう。
収集のつかないまま投票日を迎えることになりそうだ。
結局混乱は市民にふりかかることになる。

県議会議員選挙のゴタゴタが1日でも早く、収集することを願う。

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